今回の記事では、保育士実技試験「造形」で不合格にならないポイントについてまとめてみました。
美術系の学校に受験したことがある方は絵画の試験がどのようなものかなんとなくイメージができるかもしれませんが、全く経験がない場合は絵の試験と言われてもいまいちピンとこないと思います。
私も最初はどのような試験対策をすればいいのかよく分かりませんでしたし、初めての方に分かりやすく詳しく解説していきますね!
造形の試験概要
造形実技試験は保育の一場面を絵画で表現するテストです。
過去の問題を見ても題材となる一場面はさまざまであり、例えば
- 遊びの場面
- 給食の場面
- 行事の場面
などなど、保育所での活動全般が課題として取り上げられています。
当日掲示された問題文を読み、指定された条件を満たして一枚の絵画を完成させるという問題形式です。
絵のクオリティの高さが評価されるのではなく、出題された条件を満たした絵を時間内に描けているかが問われます。
制限時間は45分。6割以上の得点を得ることができれば合格となります。
明確な採点基準は公表されていないので、過去に出された問題をもとに試験対策をしなければなりません。
また、試験中に机の上に置けるものは以下の5つです。
- 鉛筆またはシャープペンシル
- 色鉛筆
- 消しゴム
- 腕時計
- 携帯用鉛筆削り
色鉛筆にはいくつか注意点があります。
クレヨン・クレパス・マーカーペン、摩擦熱で消える色鉛筆は使用不可となっています。水溶性色鉛筆の使用は認められていますが、水分を塗布することは不可となっているので気を付けてください。色鉛筆ケース(筆箱等)を机の上に置ことは認められています。
試験中に消しゴムを使用した場合、消すときの振動で鉛筆が机から落ちる可能性があります。ケースに入れておくと余計な心配をしなくてすむのでおすすめです。実際に私が試験を受けたとき、鉛筆が床に落ちる音が時々聞こえていました。
携帯用色鉛筆削りを試験時間中に使用する場合は試験監督員の了解を得てから使用するようにしましょう。
どの試験でもそうですが、受験者間での用具の貸し借りは禁止されているので試験当日は忘れ物がないようにしてくださいね。
腕時計はアラーム等の音のならないもので、計算機、電話等の通信機能のついていないものにしましょう。置時計は禁止されています。
ちなみに、人物の形をしたイラスト入りの用具は机の上に置けないので持参する全ての持ち物にイラストがないかチェックしてくださいね。
造形で不合格になる方の特徴「バランスがおかしい、何をしてるか分かりにくい絵になっている」
全体のバランスがおかしかったり、何をしているか分かりにくい絵は不合格になりやすいです。例えば…
- 子どもと保育士の体格の大きさが同じ
- 走っているはずが棒立ちになってる
- 視線が合っていない
- 人物の絵が小さすぎる
などなど、あからさまに「あれ?」と感じるところがあると減点されてしまう可能性が高いです。
何をしている様子なのかがはっきり分かるように描かなければなりません。
そのためにはまず問題文をよく読み、条件をしっかり押さえるようにしましょう。
問題文を読むときに子供は何人描くのか、指定されている場所(遊戯室、園庭)など、キーワードとなる部分に鉛筆で印を付けておけば描き忘れのリスクを減らせると思います。
造形の試験は絵のクオリティを求められているのではなく、条件に沿った絵が描けているかがとても重要です!
造形で不合格にならないためのポイント3つ
ここからは、造形で不合格にならないためのポイントについてお話していきたいと思います。
今回挙げたのは以下の3つのポイントです。
- 自分の中で登場人物を決めておく
- 時間配分を決める
- 人物は大きく描く
順番に詳しく見ていきましょう。
造形で不合格にならないためのポイント①:自分の中で登場人物を決めておく
登場させる子どもや保育士の髪形や服装などをあらかじめ決めておきましょう。そうすることで絵を描くたびに悩まなくてよくなります。
私が実技試験を受けた時は自分の中で各人物のキャラクターを作り上げていました。男の子と女の子、保育士は男性パターンと女性パターンを決め、ひたすら同じ人物を描く練習をしていました。
保育士を描く場合はエプロンも必ず描くようにしていました。誰が見ても保育士だと思えるようにするためです。
試験では1歳児、5歳児など、子どもの年齢を指定される場合がほとんどなので子どもは子どもでも乳児、幼児と2パターン描けるように練習しておきましょう。乳児・幼児両方描けるようにしておくとどんな問題が出ても対応しやすくなります。
私の場合、描くものを決めていたのは顔だけではなく、髪型や服装、そして色合いも自分の中で決めていました。そうすることで描くときに迷いが減ります。
ある程度自分の中でパターン化することができると試験当日は多少緊張したとしても焦ることなく描くことができると思います。
背景として出題されやすい保育室と園庭も自分の中でどのように描くか決めておくと試験当日に慌てなくて済みますし、時間短縮にもつながります。
色合いを決めておくメリットとしては、同じ色鉛筆で塗る部分を気付くのが早くなり、尚且つ一度に塗ることができるので効率が良いことです。
試験時間45分というのは案外短いです。問題文を見てすぐに描き始められるように何度も練習しておきましょう。同じ絵をくり返し描くことで手が早くなりますよ。
造形で不合格にならないためのポイント②:時間配分を決める
造形の実技試験では、試験時間の45分間で下書きから色塗りまですべて完成させなければなりません。
問題文を読んだらすぐに構成を考えなければいけないので1分たりとも無駄にできません。
練習の段階から下書き、色塗り、最終確認に何分割り当てるか逆算して考えておくことをおすすめします。
私は下書き15分、色塗り20分、最終確認10分と決めており、あらかじめ時間を決めておくことで焦らずに効率よく作業を進めることができました!
絵の得意不得意で下書きに費やす時間は変わってきます。ご自身に合った時間配分を考えてたくさん絵を描いて練習しましょう。
ちなみに、下書きは肌色の色鉛筆を使うのがおすすめです。黒の鉛筆を使用すると絵に黒っぽさが残ってしまうからです。
本番の制限時間は45分ですが、普段の練習では40分で完成できるように短時間で完成させる練習をしてみるのも良いと思います。
造形で不合格にならないためのポイント③:人物は大きく描く
不合格になりやすい方の特徴でも解説しましたが、何をしているか分かりにくい絵は不合格になりやすいです。
何をしているのか分かりにくい原因のひとつとして、人物が小さすぎることが考えられます。
小さすぎると細かい表現ができず、何をしているかわかりにくい絵になりがち。失敗したくないという気持ちから小さく描いてしまうのはよく分かりますが、人物が小さくなると必然的にお題に関わる物品も小さくなってしまいます。
絵が小さいという理由で減点になってしまうのはもったいないですから、ここは思い切って大きく描いてください。
大きさの目安ですが、子どもたちが立っている場合は紙の1/2くらいの大きさに描くと良いと思います。それに対して立っている保育士は紙の8割ほどのサイズにすると良いです。
「保育士試験 造形 合格作品」でネット検索するとおおよその人物のサイズ感がイメージできると思います。ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
造形の試験は絵の上手さを評価する試験ではありません。
絵に自信がない人でもポイントをおさえれば十分に合格を狙うことができます。
過去に出題された問題をみる限り、保育士と子どもは毎年描かなければいけない傾向にあるようですので、保育士と子どもは最低限描けるようにしておいた方が安心ですね。
園庭のお題であればこの背景、室内のお題であればこの背景、というように自分の中である程度描くことを決めておくと当日焦らなくて良いですよ。
ある程度人物、背景を描く練習ができたら過去に出題された問題を本番と同じように制限時間を設けながら描いてみてください。
繰り返し描いて練習することが合格への近道です!