言語実技試験は簡単にいうと子どもたちに向けた物語の読み聞かせです。
指定された4つの物語の中から1つを選び、3歳の子どもたちが目の前にいることを想定してお話をします。
言語実技試験では物語を暗記してそのまま読むだけでは合格できません。気をつけるべきポイントがいくつかあります。
今回は「言語」を選んだ皆さんが合格できるように分かりやすくポイントをまとめてみました。
言語実技試験に不安のある方はぜひ参考にしてみてください!
言語の試験概要
言語の実技試験は3歳児の子どもたちに向けて3分間にまとめた物語をお話しする内容の試験で、指定された4つの物語から1つを選択し、絵本や道具を使わずに声と身振りだけで表現します。
実技試験ではいくつか注意事項がありますが、特に以下の3つは押さえておくべきポイントになります。
- 開始合図があったらまず最初に子どもに向かうことを想定して題名を伝える
- 絵本・台本・人形・小道具の使用は一切不可
- 3分間はタイマーによって計測され、途中での退出は不可
絵本や小道具が使えないので内容を暗記することはもちろん、身振りも付けなければいけません。
合格基準は他の実技試験と同様、50点満点中30点以上で合格です。
物語を話す際、立っても座ってもどちらでも構いませんが、試験では床に置いた椅子を子どもに見立てて語りかけるので、座っている方が目線を合わせやすいかもしれません。各々表現しやすい姿勢を選んでください。
言語実技試験では幼児に対する話し方や声の抑揚、子どもを飽きさせない表現力が求められます。
読み方を工夫したり、身振り手振りを取り入れて子どもたちが最後まで楽しめるようにしましょう。
言語で不合格になる方の特徴「声が小さい、抑揚がなく棒読み」
言語では、聞き取れないほど声が小さい、そして声に抑揚がなく棒読みになってしまうと不合格になりやすいです。
本番では目の前に子どもたちがいると思いながら全員に聞こえるような声量で話すことが大切です。
過去の問題を見てみると、子どもの設定人数は毎年15人程度であり、決して少人数ではありません。
想定された人数が多い分だけ子どもたちが横に広がっていると考えてください。
話している最中の目線は左右を見るなど、子どもがいることを意識することが大切です。目の前にいる試験官の反応が1番気になるとは思いますが、子どもたちに視線を配っているというアピールをしてください。
声が小さいと良くないと言いましたが、大きな声で話し続ける必要はありません。物語の展開、シーンに合わせて声を潜めるなど、声量に強弱をつけると読み聞かせはグッと良くなります。
緊迫したシーンでは小声にしたり、クライマックスでは声を大きくするなど声量を調整することを心がけてください。声に抑揚をつけることは子供たちの集中力を保つことに繋がります。
実際に声を出しながら練習を繰り返し、声量をコントロールできるようにしましょう!
言語で不合格にならないためのポイント3つ
ここからは、言語で不合格にならないためのポイントについてお話していきたいと思います。
今回挙げたのは以下の3つのポイントです。
- 登場人物になりきる
- ゆっくり話す
- 時間を意識した練習をする
順番に詳しく見ていきましょう。
言語で不合格にならないポイント①:登場人物になりきる
子どもたちに自分の話を集中して聞いてもらうために登場人物になりきって表情や声に変化をつけましょう。
同じ声のトーンで話し続けてしまうと登場人物とナレーションの区別がつきにくく、子どもたちが飽きてしまう可能性があります。
試験官にも単調な印象を与えてしまいますので、子どもたちを飽きさせないための工夫が必要です。
私は保育士になって14年経ちますが、絵本を読み聞かせするときは登場人物のセリフに合わせて表情を変えたり声色を変えています。
そうすることで子どもたちは前のめりになって聞き耳をたててくれます。
悪役のときに使える低い声や、子ども役や小動物役として使える高い声など、声のレパートリーを増やすことができればそれだけで物語に迫力が出ます。
喜びや驚き、悲しみなどの感情を表現するときに声のトーンに変化をつけるとさらに良くなります。
例えば喜んでいるときは高い声、悲しんでいるときは少し声のトーンを落として小声にすると感情を伝えやすく、聞き手を物語に引き込むことができます。
不合格になりやすいのはロボットのような感情が一定している読み方です。
役者のように完璧に演じなくて大丈夫。声に少し変化をつけるだけで物語は盛り上がります。
セリフが少なくてナレーションの部分が多い物語を選んだ場合は身振り手振りを積極的に加えるようにしましょう。
自信がない方は登場人物が多すぎない物語を選ぶのもひとつの手ですよ。
言語で不合格にならないためのポイント②:ゆっくり話す
読み聞かせは話すスピードも重要です。
過去の問題を振り返ると聞き役の子どもは3歳と設定されていることが多く、話すスピードが早い場合、3歳の子どもたちは物語を理解できず、読み聞かせ中に「なんで?」「どういうこと?」と聞いてくる場合があります。
試験では子どもたちではなく試験官しかいませんが、そこに子どもたちがいると思って試験に挑むことが大事です。
子どもたちが飽きてしまわないように物語に入りやすい早さで話すように心がけましょう。
かといって、話すスピードをすべて一定にしてしまうのはおすすめしません。
抑揚がないと途中で飽きてしまうかもしれませんので、物語の内容に合わせて話すスピードに変化をつけるようにしましょう。
物語の世界に引き込むためには「間」も大切です。一瞬の沈黙を入れることでドキドキしたり次の展開に期待して子どもたちの注意を引き付けることに繋がります。
話すスピードが分からないのであればYouTubeにアップされている動画を参考にしてみるのはいかがでしょうか。
「保育士試験 言語」で検索するとたくさん出てきますので、人の良いところを真似して自分流にアレンジするのも良いかもしれませんね。
子どもたちに語りかけるイメージをもって表情豊かにゆっくり話すことを心がけましょう。
言語で不合格にならないポイント③:時間を意識した練習をする
言語の試験は3分間に話をまとめて時間内に終わらせる必要があります。
物語を決めてひと通り暗唱できるようになったら3分以内におさまるように時間を計りながら繰り返し練習しましょう。
最初は話すスピードだけを意識して練習すると良いです。テンポ良く話せるようになったら声の大きさに強弱をつけたり抑揚をつけて少しずつ練習をステップアップさせていきましょう。
緊張しやすい人は早口になってしまいがちですので、緊張しすぎないようにするために本番にできるだけ近い環境で練習することをおすすめします。
誰かに聞いてもらうのも良いと思いますし、試験本番の練習だけでなく入室・退室のイメージトレーニングもしておくと本番にも落ち着いて挑めますよ。
ここまで読んで3分ぴったりでお話を終わらなければいけないと思った方もいるかもしれませんが、試験本番で3分を過ぎてしまったり、早く話し終えてしまっても合格している方はいます。
時間が大幅にズレると減点はあると思いますが、他の減点ポイントが少なければ合格ラインをこえられる可能性はあります。
もしタイムオーバーをしてベルが鳴った場合はその時点でお話は終了してください。反対に早く終わった場合はベルが鳴るまでそのまま待機しましょう。
目の前に子どもたちがいる設定なのでにこやかな表情でいると好印象です。
まとめ
試験では棒読みにならないように声量や声の抑揚、話すスピードを意識することが重要です。
配慮しなければならないことがたくさんあると頭が混乱してしまいがちですが、パニックにならないためにも本番に近い環境で練習を積み重ねて自信をつけましょう。
話している最中は子どもたちがいることを想定して低い位置に目線を落とし、子どもたちに優しく語りかけるイメージでお話してくださいね。
結果は必ずついてきます。繰り返し練習して合格を狙いましょう!