保育士試験は合格率が低く、難易度が高いと言われているので不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
合格への第一歩として、保育士試験の注意点を知っておくことはとても大切です。
- どういった点に気をつければいいの?
- 試験当日に注意しておくべきことは?
こういった事について、私の経験をふまえて詳しく解説していきます。
これから保育士試験を受験される方は、ぜひこの記事で注意するべきポイントをチェックしておいて下さい!
【試験前①】各科目の足切りに注意!
保育士試験の筆記試験の科目は以下の通り9科目あり、科目数が多くて出題範囲が広いことから難関だと言われています。
- 保育原理
- 教育原理
- 社会的養護
- 子ども家庭福祉
- 社会福祉
- 保育の心理学
- 子どもの保健
- 子どもの食と栄養
- 保育実習理論
筆記試験に合格しなければ実技試験に進むことができないので、まずは筆記試験の試験勉強をしっかりしておく必要があります。
記述式ではなくマークシート方式での出題となっており、100点満点のうち60点以上の得点で合格。
教育原理および社会的養護の科目以外は1科目につき20問の設問があり、そのうち12問正解することができれば合格となります。
満点を取る必要はありませんが、全ての科目でそれぞれ6割以上の得点をとらなければならず、もし1科目でも得点が6割に届かなかった場合、筆記試験は不合格となり実技試験に進むことができません。
これを「足切り」といい、毎年多くの受験者を苦しめています。
全科目の合計点数で合否を判断する試験であれば、苦手な科目があったとしても自分の得意な科目でカバーすることができましたが、保育士試験はそのような方法で対処することができません。
全科目満遍なく試験対策をしなければならないという難しさが保育士試験にはあるのです。
【試験前②】ニコイチ科目に注意!
教育原理と社会的養護の2科目は通称「ニコイチ科目」とも呼ばれています。
この科目は「教育原理」と「社会的養護」それぞれ別で試験が行われますが、2科目で1つとして扱われます。
そのため、一方が合格点に達したとしても、もう一方でつまずくと2科目とも不合格になってしまいます。
他の科目は20問の説問がありますが、教育原理と社会的養護はそれぞれ10問しかないので、1問の価値が非常に大きいといえます。6問以上正解する必要があるのでケアレスミスは防ぎたいところです。
教育原理は法律や歴史、人物名など、さまざまな内容から出題され、覚えることが多い科目なので計画的に勉強を進めていきましょう。
私は社会的養護は合格ラインに達していたのに教育原理は正解が1問足りずで不合格となり、とても悔しい思いをしました。たった1問間違えただけで2科目不合格となってしまい、しばらく落ち込んでいた記憶があります。
保育士試験は出題範囲が広いということもあって前期・後期の2回の試験で合格を目指す人もいますが、教育原理と社会的養護は「ニコイチ科目」なので必ず同時期に勉強するようにしてくださいね。
【試験前③】実技試験は自分の得意なものを選ぶ!
実技試験は以下の3つのジャンルが用意されており、その中から好きなものを2つ選択することができます。
- 音楽表現に関する技術
- 造形表現に関する技術
- 言語表現に関する技術
どれを選んだらいいか迷ってしまう方もいるかと思いますが、選ぶポイントとして、自分がちょっとでも得意だと思えるものを選ぶというのが大切です。例えば以下のような感じです。
- ピアノやギターが得意であれば「音楽」
- 絵を描くのが得意であれば「造形」
- 話をするのが得意なら「言語」
このように、自分の得意なものを選べば自信をもって試験に挑めると思いますし、好きな分野を選べば練習も楽しみながら取り組んでいけるはずです。
得意なものがないという方は、「これだけは絶対したくない!」と思うものから消去法で決めるのもひとつの方法です。
3つのジャンルがどのような試験なのか知っておかないと選びにくいと思うので、それぞれの特徴も解説しておきますね。
音楽
ピアノ、アコースティックギター、アコーディオンの中から好きな楽器を1つ選びます。
幼児に歌って聞かせることを想定して、事前に出題されている課題曲2曲を弾きながら歌います。
課題曲は過去のデータを見ている限り童謡が多く、曲自体の難易度はそこまで高くはありません。
しかし、ピアノの経験がない方がピアノを両手で弾きながら歌うというのはかなりハードルが高く、難しいと思いますので、ピアノ未経験の方は造形と言語を選択した方が良いかと思います。
造形
保育園での活動の様子を絵で描いて表現します。
音楽、言語は課題を事前に伝えてもらえますが、造形だけは試験当日にならないと課題が分かりません。
試験時間は45分。限られた時間の中で条件を満たす絵を描くスキルが必要となってきます。
言語
課題から1つ選んで子ども達が自分の前にいると想定して3分間のお話を行います。
一般的なあらすじを土台とし、子ども達がお話に引き込まれるように身振り手振りを加えながらご自身で3分間に話をまとめます。
年齢と人数が指定され、その年齢にあった話し方で子ども達に語りかけるように話します。
子ども1人に対してお話するのと、複数いる子ども達へお話するのとでは声の大きさだけでなく、目線の配り方も配慮が必要です。
今までのご自身の経験を振り返り、どのジャンルが自分に合っているか考えて選択してくださいね。
なお、当サイトでは実技試験の選び方について深堀りした記事もご用意しております。気になる方はこちらもぜひご覧ください^^
【試験当日】場面ごとに注意すること
初めての受験の方も、すでに受験経験がある方も、本番が近づいてくるとドキドキして緊張してしまいますよね。
試験当日はどんな雰囲気なのか不安に感じる方が多いかと思います。
緊張するのは当たり前ですが、緊張しすぎて実力が発揮できないともったいないです。
そこでここからは、試験当日に注意するべきポイントを、以下4つのシチュエーションに分けてお伝えしていきます。
- 家を出る前
- 会場に到着してすぐ
- 試験開始後
- 昼食時
私自身の経験も踏まえて書いておりますので、きっと参考になる部分もあるかと思います。
家を出る前
家を出る前に、まずはカバンの中に受験票・鉛筆・消しゴムがあるかを必ず確認してください。
極度に緊張してしまうと当たり前のことができなくなったり、普段は絶対忘れたりしないものをうっかり忘れてしまうことがあります。
私は大丈夫だと思わず、靴を履く前にもう一度カバンの中をチェックしましょう。念には念を、です。
そして、時間に余裕をもって出発しましょう。
会場に到着してすぐ
会場に到着したら、まずトイレの場所を確認しましょう。保育士試験の受験者は圧倒的に女性が多いです。
実際に私が受験した時も指で数えられるほどしか男性はいませんでしたし、ということは試験の合間の休憩時間はトイレが激混みになることが予想されます。
昼食後のトイレは長蛇の列になること間違いなしなので注意しておきましょう。
試験開始後
筆記具は鉛筆、シャープペンシルどちらでもOKとなっていますが、マークシートは鉛筆の方が塗りやすくスピードも速いので鉛筆を使用することをおすすめします。
名前を書くところはシャープペンシルが書きやすいので両方持参するのもありです。
鉛筆は折れないようにキャップした上で数本の予備を準備してください。
携帯の鉛筆削りも持参し、試験の合間の休憩時間に削って万全の状態で試験に挑めるようにしておいた方がいいかと思います。
試験中に携帯の音が鳴ると即失格になるので必ず電源は切っておいてくださいね。
また、問題を解いていて分からない問題が出てくることもあると思います。
その時はなんとなくでも「これかな」と思ったものを薄っすら塗り潰しておくことをおすすめします。
後で解こうと思って空欄をあけて次の問題にいき、万が一ひとつズレて塗り潰していたら…。想像するだけでゾッとしますよね。
そんなミスは絶対にしない!という自信があるなら大丈夫ですが、大変なことにならないように空欄のままにしないことをおすすめします。
消しゴムを使うときも前後のマークを消してしまわないように注意してくださいね。
昼食時
昼食ですが、試験会場近くのコンビニは激混みになっている可能性があります。
並んでたとしても売り切れになってしまうことが予想されます。
無駄に時間を消費するのはもったいないので、コンビニで買う場合は家の近くで買った方が安全です。
私は家で作ったおにぎりを持参しました。どこにも移動せずその場で食べたので早く食べ終わり、トイレも空いていてスムーズに次の試験の予習をすることができました。
まとめ
この記事では、保育士試験の注意点について解説させていただきました。
保育士試験の合格率は毎年20%前後であり、数字だけを見ると資格取得は難しいと感じるかもしれませんが、計画的に勉強を進めていくことで十分に攻略可能です。
一発合格を目指す場合は9科目すべて6割以上の点数をとらなければなりませんが、試験は年に2回あります。合格科目は3年間有効なので余裕をもって資格取得を目指すのもひとつの方法です。
自分にとっての勝負の日は誰しもが緊張してしまうもの。でも、大丈夫です!今まで頑張ってきた自分を信じてあげてください。
試験当日は忘れ物がないかチェックして、「自分はできる!」という強い心をもって試験に挑んでくださいね!