保育士試験では、筆記試験に合格するといよいよ実技試験となります。
保育士試験の実技試験では「音楽」「造形」「言語」の3つの中から2つを選んで受験することになります。
簡単にそれぞれの試験を説明すると、
- 「音楽」 課題曲を弾きながら歌う
- 「造形」 お題に合わせた絵を描く
- 「言語」 昔話を3分間でまとめて話す
といった感じです。
「でもピアノなんて弾いたことないし。。」
「絵を上手く描く自信もないし。。」
「昔話を人前で話したことないし。。」
と、「一体どれを選ぶべきなんだ!」と迷う方は多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、保育士の実技試験はどうやって選ぶべきなのか、実体験も踏まえて解説しますので、ぜひ参考にして下さい!
音楽・造形・言語、それぞれの実技の概要や合格ラインは?
まずは3つの実技試験の概要と合格ライン、合格ポイントを見ていきましょう。
【音楽】試験概要、合格ライン、ポイントなど
- 課題曲をピアノ、アコースティックギター、アコーディオン(独奏用)のいずれかで演奏しながら歌う
- 課題曲は2曲あり、事前にネット上で提示される
- 楽譜の持ち込みは可能
- 前奏、後奏をつけることや移調をすることは可能
- 歌と同じ単音(一つの音だけ)での演奏は認められない
ちなみに、令和5年度試験では以下の2曲が課題曲として提示されており、両方を弾きながら歌う必要があります。
- 幸せなら手をたたこう
- やぎさんゆうびん
「音楽」の試験で一番注意しなければならないのは、『歌と同じ単音(一つの音だけ)での演奏は認められない』という点でしょう。
実は全国保育士養成協議会は楽譜を公開しているのですが、それには単音しか載っておらず、自分で伴奏を付け加える必要があります。
「え。。自分で伴奏なんて作れないよ。。」という方でも安心してください。
課題曲は有名な童謡や民謡のため、ネットで検索すればすぐに簡単な伴奏が出てきますし、それをそのまま使用して問題ありません。
にしても、公式の保育士協議会が単音のみの楽譜を提示するなんてひどいですよね。。
その楽譜のまま弾いたら失格なのでくれぐれもご注意を^^;
ちなみに、「音楽」を受験する人のほとんどがピアノでの受験になります。
私が受験した時は、ギターでの受験は5人ほど、アコーディオンでの受験は1人見かけました。
ギター、アコーディオンの場合は自分で楽器を持ち込む必要があり、控え室でチューニングが可能です。
- 2曲を歌いながら弾き終えること
- ゆっくりで構わないので、一定のリズムで弾くこと
- 音を間違えてしまったとしても、そのまま弾き続けること
- 途中で止まってしまったとしても、すぐに途中から弾き始めること
途中で止まって5秒以上停止してしまったり、弾くことや歌うことを諦めてしまうと合格は難しくなりますので、それだけは避けましょう。
【造形】試験概要、合格ライン、ポイントなど
- 45分間で縦横19cmの紙に問題文と条件に適した絵を描く
- 問題文と条件は当日提示される
- 鉛筆、シャーペン、色鉛筆、消しゴム、腕時計のみ机上に置いて使用できる
問題には事例と3~4つの条件が提示されます。例として、令和4年後期の問題を以下に挙げておきますね。
★問題(令和4年後期)
【事例】
M保育所の3歳児クラスの子どもたちは、保育室内で、大きな鬼の顔が貼られた壁に向かって豆まきを楽しんでいます。保育士は、そばで見守りながら遊びに加わっています。
【条件】
1.事例に書かれている保育の様子がわかるように描くこと
2. 子ども3名以上、保育士1名以上を描くこと
3. 枠内全体を色縁筆で着彩すること
参考URL:https://yotsuyagakuin-tsushin.com/b/2022zoukei-kouki/
これらの事例と条件に沿った絵を描く必要があります。
他にも過去には、
- 5歳児が給食の準備、食事中、片付けをしている様子のいずれかを選んで描く問題
- 2歳児が牛乳パックの形を活かしたおもちゃで遊ぶ様子を描く問題
などが出たりと、問題の幅は多種多様です。
近年では子どもの年齢の指定があるため、それぞれの年齢の体の特徴を押さえておきましょう。
また、保育士は1人以上描くことが毎年条件に含まれています。
- 絵を見ただけで何についての絵なのかがわかること
- 色鉛筆で全体が塗ってあること
色使いや人の書き方など、あまり癖強く書いてしまうと合格は難しくなるので、子どもが見てもわかる絵を描くよう意識しましょう。
【言語】試験概要、合格ライン、ポイントなど
- 3分間で課題の童話を1つ話す
- 3歳児クラスの15人の前で話すことを想定する
- 課題は事前にネット上で提示される
- 絵本や台本を持ち込むことはできない
令和5年度試験では以下の4つが提示されており、ここから1つを選んで受験することになります。
- ももたろう
- 3匹のこぶた
- おおきなかぶ
- 3びきのやぎのがらがらどん
課題の童話は指定されているものの、台本は提示されていませんので、自分で3分間に収まるように作るか、ネット上に3分間で収まるように修正された童話が載っていますので、それをまる覚えしてもOKです。
- 前に子どもがいるように話すこと
(実際は大人の審査員に向けて話しますが、目線などは子どもがいる下の方で構いません) - 暗記して2分半~3分で話し終えること
- 適度に身振り手振りを加えること
- 早く話し終わったとしても3分経過のタイマーがなるまでは動かないこと
- 身振り手振りや抑揚なしにぶつぶつ小さな声で話すと合格は難しい
3分のタイマーがなった時に物語の終盤まで話せていたら、たとえ話が終わらなくても合格の可能性はあります。
身振り手振りや抑揚なしにぶつぶつ小さな声で話すと合格は難しいでしょう。
保育士試験の実技を選ぶときの3つのポイント
次に、実際に実技を選ぶ際に参考にすべきポイントを3つご紹介します。
- 経験から選ぶ
- 練習のしやすさから選ぶ
- 臨機応変に動けるタイプかどうかで選ぶ
順番に詳しく見ていきましょう。
経験から選ぶ
まずは経験したことがある実技があれば、そこから選ぶのが一番良いでしょう。
例えば、、
- ピアノやギターを弾いたことがあるなら「音楽」
- 絵を描くのが好きなら「造作」
- ご自身のお子様などに絵本を読み聞かせしたことがあれば「言語」
といったイメージです。
経験があるということはそれだけスタートダッシュも切れますので、非常に有利に試験対策を進めることができるでしょう。
練習のしやすさから選ぶ
ピアノや絵など、経験したことがあれば選ぶのは楽ですが、未経験の方も多くいらっしゃると思いますし、その際には練習が必ず必要です。
練習がしやすく、その効果が発揮しやすい順に並べると以下のようになります。
「言語」→「音楽」→「造形」
まず、「言語」は材料がなくても家で何度も繰り返し練習することができます。
実際に子どもがいなくても自身で動画をとって見返すことで上達するでしょう。
次に「音楽」は身近にピアノや電子ピアノがあると練習できますが、触れる機会がないと難しいかもれません。
最近ではスマホやiPadで鍵盤を表示させて練習する方法もありますが、ピアノ初心者の方はそれのみで練習するのはやめておきましょう。
実際の試験で鍵盤の重さや鍵盤の場所で戸惑ってしまう可能性が高いです。
ただ、課題曲はそこまで難しいものではないので、ピアノがあるならば初心者でも何度も練習すれば十分合格はできます。
ギターやアコーディオンの場合は自前で持っていく必要があるので、持っていない場合や誰かに借りれない場合はやめておきましょう。
「造形」は当日課題が提示されるので、事前の準備や練習の成果が一番発揮しずらい教科です。
過去の問題を45分間で描き終える練習や2~5歳児までの子どもの絵や保育士の絵を練習しておき、あとは当日、自分が描きやすい問題が出ることを祈るばかりです。
臨機応変に動けるタイプかどうかで選ぶ
突然ですが、あなたは本番で少し失敗してしまった時に、すぐに臨機応変に新たな策で対応できるタイプですか?
NO!という方はぜひ「音楽」を選びましょう。
「音楽」は楽譜の持ち込みが可能であるため、万が一途中で間違えても、楽譜を見て落ち着いて弾くことができます。
「造形」と「言語」は練習してきた絵や台本を持ち込むことができないため、間違えたらその場で臨機応変に対応しなければなりません。
特に「言語」は途中で台本が頭から抜けてしまった時に冷静に対応できるかがポイントです。
【実体験】私は「音楽」と「言語」を選びました!
私はピアノを習っていたため「音楽」と、絵が苦手だったので消去法で「言語」を選びました。
実際の試験では、「音楽」と「言語」はどちらも以下のような流れでした。
待合室 → 部屋の前で5人ほど待機 → 入室
部屋の前で待機している間は、受験者のピアノや歌声、3分間のお話が丸聞こえなので緊張感が増します。
「言語」は前の人のお話を聞きすぎると自分が覚えたお話とこんがらがってしまう可能性があるので、聞きすぎずに自分の試験準備に集中しましょう。
以下、私が体験した試験の詳しい流れです。
「音楽」当日の流れ
1.広い部屋の待合室で30人ほど待機(この間にギターなどはチューニングをします、曲の練習はできません)
2.部屋の前に5人ずつ通される
3.自分の番になったら入室(ドアを3回ノックして失礼しますと声をかけると良いでしょう)
4.受験番号と名前を聞かれ、確認後、ピアノの椅子に座る(私の時は審査員に背を向ける形でした)
5.開始の合図後、2曲続けて演奏(曲の合間は一息つく程度、あけましょう)
6.椅子から立ち、ありがとうございましたと声をかけ、退室
「言語」当日の流れ
1.部屋の前に5人ずつ通される
2.自分の番になったら入室
3.受験番号と名前を聞かれ、確認後、椅子に座る(立って話してもOKです)
4.開始の合図があったら題名を言ってお話を始める
5.3分のタイマーがなり、ありがとうございましたと声をかけ、退室(3分のタイマーがなるまでは退室してはいけません)
まとめ
いかがでしたでしょうか。
この記事でご紹介した実技試験の内容やポイントを押さえ、自分が合格しやすい分野を選びましょう。
経験があれば選ぶことは簡単ですが、経験がなくてもきちんと練習すれば合格できる試験です。
特に音楽は事前に課題曲が提示されて、かつ持ち込み可なのでおすすめですよ!
皆様の合格を心よりお祈りしています!
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