保育士を目指している方は自分が保育士に向いているのかどうか知りたいと思ったことが一度はあるのではないでしょうか?
「自分は向いているのかな?」と不安に感じる人もいるでしょう。
向いている人の特徴、向いていない人の特徴はいくつかあります。
保育士歴10年超の私が主観も交えつつ、どのような人が保育士に向いていて、どのような人が向いていないのか、それぞれの特徴について詳しく紹介していきます。
ぜひ参考にして下さい!
保育士に向いてる人の特徴5つ
まずは保育士に向いてる人の特徴を見ていきましょう。
5つ特徴を挙げました。
- 子どもと関わるのが好き
- 体力に自信がある
- コミュニケーション能力がある
- 観察力がある
- ポジティブ思考
順番に詳しく解説していきますね。
①子どもと関わるのが好き
保育士の仕事は長い時間子どもと一緒に過ごしますので、子どもと毎日関わる保育士にとって子どもが好きなことは必須条件です!
子どもに何かを教えたり一緒に遊んだりする時間が楽しめる人であれば保育士に向いているといえます。
とはいえ、子どもの安全、成長のために注意したり指導しなければいけない場面も出てきます。
子どもが好きだからといって保育士も遊びに夢中になりすぎたり甘やかしすぎてしまうと保育士の仕事は務まりません。
「イヤイヤ!」と言って思うように動いてくれないことは日常茶飯事ですが、そのような難しい部分も含めて子どもとの触れ合いを楽しめる人は保育士としての資質があると思います。
②体力に自信がある
体力に自信がある人ほど保育士に向いてるといえるでしょう。
子どもたちは朝から元気いっぱいです。大抵の子どもは走ることが大好きなので保育士も一緒になって走ることは多いです。
また、0歳や1歳児クラスの担任になると抱っこは必須。子どもの様子に合わせて座ったり立ったりするので足腰の力は働く上で必要です。
行事の準備で脚立を運んだり、竹馬やマットなどの体育遊具を倉庫から出し入れしたり、子どもたちの布団を運ぶなどの力仕事もあります。
近年では男性の保育士が増えていますがまだまだ女性の保育士が大半ですので、力仕事は女性でも任されるものと思っておきましょう。
また、保育園は集団生活の場なので毎年さまざまな感染症が流行ります。
感染症にかからないためにも体力維持だけではなく、日頃から健康管理にも気を配ることが大切です。
③コミュニケーション能力がある
保育士の仕事は子どもたちだけでなく、保護者や職員、地域の人たちなどさまざまな人とコミュニケーションを取らなければいけませんので、コミュニケーション能力も必要になってきます。
育児に悩む保護者がいるときは話を聞いたりアドバイスをしてフォローすることも保育士の重要な役割です。
保護者の気持ちに寄り添い、保護者と共に育てていくという気持ちをもちながらコミュニケーションをとることが大切です。
保育園の規模や子どもの年齢にもよりますが、他の保育士とペアになってクラスを担当することもありますし、そうなるとある程度コミュニケーションが取れないと円滑に仕事を進めることができません。
クラスの担任が自分だけだったとしても、保育園で子どもが怪我をした場合は他の職員にも伝達する必要があるのでコミュニケーション能力は必須。
「ホウレンソウ(報告連絡相談)」は保育士の仕事を続けるうえでとても大切です。
④観察力がある
保育士は子どもの体調や様子の変化に素早く気付いて適切な対応を行わなければいけません。
観察力があれば子どもたちの体調不良やケンカなどのトラブルを見逃すことが少なくなります。
また、子どもが登園したら普段と何か変わったことがないか子どもの身体を全身チェックすることも保育士の仕事のひとつです。
自宅で起きた怪我を子どもも保護者も気が付いていないという場合もあり、傷を見つけた時はその場で保護者に確認をし、保育園で起きた怪我ではないということをはっきりさせておかなければ後々トラブルに発展することも。
体調面と身体の傷についての視診をしっかり行うために観察力は欠かせません。
保護者からみても我が子の些細な変化にすぐに気が付いてくれる保育士は頼もしいですし、観察力がある保育士は子どもたちの表情や様子を細かく観察できるので現場でとても重宝されます。
⑤ポジティブ思考
仕事が上手くいかない、子どもが思うように動いてくれない、保護者からクレームを受けるなど、保育士として働いていると少なからず嫌なことはあります。
トラブルが起きてもいつまでも悩まず前向きでポジティブ思考の人は保育士に向いています。
保育士は子どもたちのお手本となる存在です。自分の機嫌やその日の体調によって感情が大きく左右されて対応が変わると子どもたちや一緒に働く職員も困惑します。嫌なことがあっても気持ちを切り替えてポジティブに物事を考えられたらベストです。
ポジティブ思考でいると表情も明るくなり、子どもたちにも良い影響を与えるでしょう。
保育士に向いてない人の特徴5つ
上記保育士に向いてる人とは逆に、保育士に向いてない人の特徴も5つ挙げました。
- 潔癖症
- 同時進行が苦手
- 体力がない
- 文章の作成が苦手
- 他人を批判する
こちらも順番に見ていきましょう。
①潔癖症
汚れることが苦手な人や潔癖症の人は保育士に向いていません。
というのも、保育士の仕事には子どものトイレのお手伝いや食後の床掃除などが含まれているからです。
ときには体調を崩した子どもの嘔吐物の処理をすることもあります。
トイレトレーニング中の小さい子どもは漏らすことが多いので衣服を洗ったり床掃除をすることは頻繁にあると思ってください。
私が2歳児クラスの担任をしていた時は毎日子どものパンツとズボンを洗っていましたし、私の膝の上に座っていた子どもがおしっこを漏らしてしまうこともありました。乳児クラスの担任になった場合、食後の床掃除は毎日戦争です。食べこぼしがとても多いのでバケツの中の水はいつも茶色に濁っていました。
保育士は子どもと一緒に遊ぶ仕事と思われがちですが、実際は掃除や片付けも毎日しなければいけません。
子どもたちと一緒に裸足で泥んこ遊びをすることもあるので掃除や片付け以外でも汚れることはあります。
仕事を続けていく中で汚れることへの苦手意識は少しずつ減ってくるとは思いますが、極度の潔癖症の人は保育士の仕事は難しいかもしれません。
②同時進行が苦手
保育士は複数の仕事を同時に進める場面が多くあります。例えば以下のようなケース。
- 子どもたちが昼寝をしている様子を確認しながら連絡帳の記入や制作の準備をする
- おにごっこをしている子どもたちを見ながら砂遊びをしている子どもたちのことも意識する
- 泣いている子どもを抱っこしながら他の子どものお世話をする
などなど、2つのことを同時進行で行うことは日常茶飯事です。
保育士は常に子供たちの安全を確保しなければならないため、目の前の子どもたちだけでなく他の場所で遊んでいる子どもたちのことも気にかけなくてはいけません。
私が保育士1年目だった頃、自分の座る位置について先輩から指導されたことがあります。部屋全体が見えるように座っていなかったからです。目の前の子どもたちと向かい合わせに座って一緒に遊んでいたのですが、絵本を見ていた子どもたちには背中を向けている状態でした。
トラブルが起きた時、「見ていませんでした」では済まされません。
何か作業を任された時は、そこに子どもがいるのであれば与えられた仕事だけに集中するのではなく、全体も意識する必要があります。
何かあったときはすぐに駆けつけられるように、その時の状況に合わせて柔軟な対応が求められますので、臨機応変に動けない、または複数の仕事を同時進行で行うことが苦手な人は保育士として苦労するかもしれません。
③体力がない
保育園に通う子どもたちの年齢層は好奇心旺盛でいつも元気いっぱいです。
赤ちゃんクラスの担任になると5㎏以上ある子どもを毎日抱っこすることになります。
食後の片付けで中腰になったり子どもと目線を合わすためにしゃがんだり、書類の仕事以外は常に身体を動かしています。
体力がない人だと日々の積み重ねで疲労が溜まり、身体がしんどくなってしまいます。
身体が不調だと免疫力が低下して病気をもらいやすくなるので悪循環です。
体力がないと自覚している人や、身体を動かすことが苦手な人は保育士の仕事がストレスになるかもしれません。
④文章の作成が苦手
子どものお世話だけでなく、書類を作成する仕事も保育士の業務の一環です。
書類の仕事はいくつかありますが、保育日誌と連絡帳は毎日作成しなければいけません。
また、年間を通して保育年間計画や指導案、おたよりなどを作成する必要がありますが、指導案に関しては月案、週案、日案と3つの計画書に分かれていてそれぞれ定期的に書かなければなりません。
文章を作成することが苦手な場合はこの業務が苦痛になってしまうかもしれません。
ですが、近年は書類作成業務をICT化する保育園が少しずつ増えてきました。
私が働いている保育園も去年からタブレットで連絡帳や指導案が記入できるようになりましたし、文章作成は定型文などを活用することで作成時間を短縮できます。
文章を作成することが苦手な人は保育士の書類関連の仕事がストレスになるかと思いますが、保育士の負担を減らす動きはこれからも進んでいくと思うので、そこまで深刻に考えなくてもいいかもしれません。
⑤他人を批判する
保育士は子どものお手本となるような行動をとらなければならない仕事です。
子どもの良いところを見つけたり頑張っている姿を認めて自己肯定感を上げることが大切です。
しかし、悲しいことに他人を批判する保育士はたくさんいます。よくも悪くも女の世界なので(苦笑)
悪口を言ったらいつか自分に返ってきますし、他人を批判したり悪口ばかり言う人は子どもの良いところを見逃してしまいがちです。
また、他の職員とのチームワークも乱してしまうので、他人を批判する癖がついてしまっている方は、少しずつでも直す努力をしましょう。
まずは意識することが大事ですよ。
保育士の適性はこれから身につく場合もある!
保育士に向いてる人の特徴があてはまらなかったり、向いてない人の特徴があてはまったからといって落ち込んでいませんか?
向いてない人の特徴があてはまっただけで保育士になることをあきらめないでください!
実際に現場で働いて1年、2年と経験を積んでいくことで苦手だと感じていたことができるようになって克服することもあります。
私も新人の頃は同時進行が苦手で毎日いっぱいいっぱい。自分の要領の悪さに涙する日もありました。不器用なりにも仕事は続け、先輩の動きを参考にしたり失敗してもめげずにやるべきことを日々こなすことで、自然と身体が覚えテキパキ動けるようになりました!
向いてない特徴があてはまったとしても、克服するための行動を起こせば必ず解消できます。
保育士の適性を身につけるために自分の苦手分野を知り、どうアプローチしていくのかが保育士を続けていく上でとても大切です。
まとめ
本記事の適性判断をみて「自分は保育士に向いてないかも。。」と考えてしまう人もいるかもしれませんが、最初から一人前の保育士はひとりもいません。
新人の頃は失敗はつきものです。ミスをしたり先輩から怒られた経験がある保育士は「向いてない」と考えたことが一度はあると思いますが、それでもめげずに努力を続けた人が一人前の保育士になれるのです。
適性判断にとらわれすぎてはいけません。向いてない特徴があてはまったのならば、「自分の課題を見つけることができた!」とプラスに考えて日々努力していきましょう!