保育士の仕事は児童福祉施設等で保育や地域の子育て支援であり、主な内容は0歳~6歳までの乳幼児への保育です。
保育士の仕事といえば、「子どもを預かって一緒に遊ぶ」というイメージを持つ方もいると思いますが、そんな単純なものではありません。
0~6歳児までの発達段階を理解し、それに合わせた遊びの提供や環境づくりをはじめ、子どもたち一人ひとりに対して丁寧で適切なお世話をしていきます。
また、子どもたちの成長を願い、「こう育っていってほしい!」という目標を持ちながら、そのためにはどのように関わり一日の活動を組み立てていくと良いかを常に考えながら保育します。
だからこそ、活動が上手くいったり、子どもの成長が見られた時に大きなやりがいを感じることができます。
この記事では、現役保育士である私が保育士の具体的な仕事内容や一日のスケジュール、魅力などについて話をしていきたいと思います。
保育士の主な仕事内容
保育士の仕事は、乳幼児への食事や睡眠、排泄、衣服の着脱といった基本的生活習慣が身につくように支援をしたり、集団生活を通して社会性を育てていきます。
また、遊びを通して心身の健やかな成長を手助けします。
ここでは、子どもの主体性を大切にし、自分でしようとする姿を十分に認めたり、様々な遊びに興味を示し挑戦しようとする姿を見守り、できることを増やして自信につなげていくことが重要になってきます。
子どもと関わるだけでなく、保護者対応も仕事の一つであり、教育の手助けやアドバイスを保護者の気持ちに寄り添いながら支援したり、クラスだより等を通して子どもの姿や頑張りを伝えていきます。
他には、一日の活動や月、年間を通しての計画を立てる指導計画の作成、イベントや行事の計画と実行、外部の研修への参加、教材を考える等の仕事が挙げられます。
遊びを考えて実行するのも保育士の重要な仕事のひとつ!
保育の仕事において、子どもの身の回りのお世話をすることはイメージのつく人もいるかもしれませんが、遊びの重要性を理解できていない人は多いのではないでしょうか?
保育士はただ単純に玩具や遊具を出して遊ばせているのではありません。一つ一つの遊びにはちゃんとした理由と狙いが存在します。
例えば、食事中のお皿や箸の持ち方が気になるのであれば、粘土やブロックといった指先を使用する遊びを提供します。
それらは指先の力や器用さに関わりのある遊びであり、箸が上手に持てるようになる一つの手段となるだけでなく、衣服のボタンをつけたり、ペンを持って絵を描くこと等、生活や遊びの面で必ず役に立っていきます。
それだけでなく、考えて形にしたり表現する力にもつながるのです。
また、鉄棒や竹馬、跳び箱等といった運動遊びでは、最初から上手くできるものではありません。
そのため、できないことに挑戦しようとする気持ちを育てたり、できるようになった時には共に喜び合うことによって自信になります。その自信は自己肯定感を高めていくことになるのです。
このように、保育所では様々な遊びを通して子どもたちの成長へとつなげていくことも仕事なのです。
保育士の勤務時間と主な一日の流れ
保育士の勤務時間は勤務先によっても異なりますが、1日8時間が一般的です。
また、早朝保育や延長保育を行っている保育園の場合は、早番、中番、遅番でシフトを組み、7時30分~園児が帰るまでの時間を決めているケースも少なくありません。
時期によってはお遊戯会や運動会などのイベントや行事の準備をすることもありますし、その分残業代が出ることもあるでしょう。
休日は基本的には土日祝日で週休二日制を導入していますが、土曜や日曜保育を行う園もあります。その場合は平日に振替休日をとることができます。
保育士の一日のスケジュールは園によって多少の違いはあるかと思いますが、大まかな流れをご紹介しますね。
順次、園児が登園。一人ひとりと子どもの目線で挨拶を交わしながら顔色や表情などを見て健康状態をチェックします。保護者とも挨拶を交わして関係作りをしていきます。
登園後は子どもの興味のあることや経験させたい遊びなどのコーナーを設定しておき、自ら主体的に遊びだせる環境を用意します。
手遊びや歌、紙芝居の読み聞かせをしたり、今日の活動を子どもたちに伝える時間です。
年齢や季節、狙いに応じた運動遊びや制作活動、集団遊びをします。運動会やお遊戯会の行事前には練習を行うこともあります。
園児と給食を食べながら食事の様子を見守ります。箸やお皿の持ち方、好き嫌いがある場合には量を加減して少しでも食べることができる喜びを味わえるようにする等といった食事面での関わりをしていきます。また、食物アレルギーの子への配慮もかかせません。
お昼寝中の園児たちの様子をチェックします。この時間を利用して、保育日誌や連絡帳の記載、事務仕事を進めたり、年長児クラスの担任の休憩交代などをして、順番に休憩や事務仕事を行います。なお、年長児はお昼寝がないため、その時間も好きな遊びや活動を取り入れます。
子どもたちと一緒におやつを食べます。
絵本の読み聞かせや歌をうたったりします。この時に朝とかわりがないか、子どもの表情や状態のチェックを最終確認します。
お迎えの時に、その日の子どもの様子や頑張りを保護者に伝えます。この後は掃除をしたり、午睡時だけではできなかった事務仕事や明日の保育の活動の準備も仕事です。
※補足※
年齢に応じて午前中もおやつを提供したり、0歳や1、2歳児クラスにおいてはトイレや食事などの身の回りのことがまだまだ自分でするのが難しいため、生活の関わりも特に一人ひとりに丁寧に行っていくと大きく一日の流れが違う場合もありますので、あくまで一つの事例です。また、水遊びや運動会、お遊戯会などの季節の遊びや行事の関わりがある時には一日の流れが変わってきます。
保育士だからこそ味わえるやりがい
子どもを育てるということは本当に大変なことであるのは事実ですが、保育士の子どもに対する思いであったり頑張りは必ず成長になって子どもたちは応えてくれます。
トイレや食事、衣服の着脱などの身の回りのことが少しずつできるようになっていったり、友だちと喧嘩ばかりしていたのが、玩具の貸し借りができるようになりトラブルが少なくなるなどの社会性の育ち。
また、制作や運動遊びに挑戦して今までできなかったことができるようになる等、保育者が関われば関わるほど子どもたちは大きく成長していくのです。それらは大きな達成感となるでしょう。
運動会や行事などの関わりも大変ですが、子どもたちと共に頑張ってきたことを見てもらうことで、保護者の方に感謝されたり周りに認めてもらえることもたくさんあります。
保育士という仕事は周りに相談ももちろんしますが、保育は自分で考えて行うこともできます。
そのため、周りに指示されるのではなく、自分で仕事を組み立てていくことができるのも大きな魅力の一つと言えるでしょう。
まとめ
この記事では、現役保育士が保育士の仕事内容や1日のスケジュールなどについて解説してきました。
これから保育士を目指す方にとって、有益な内容であったなら大変嬉しいです^^
保育士は生活や遊びなど、様々なシーンにおいて子どもの成長を発見して感じることができ、子どもたちから学ぶことや元気をもらうこともたくさんあります。
子どもが好きな人、人と接することが好きな人、達成感ややりがいを感じる仕事をしてみたいと思う方にはぴったりな仕事だと思いますので、興味がある方はぜひチャレンジしてみて下さい!