保育士になるには国家資格である保育士資格が必要ですが、保育士は年齢・性別を問わず誰でも資格取得を目指すことができます。
保育士不足が社会問題になっているということもあり、資格を取得できれば職に困ることはないと言われています。
そこでこの記事では、保育士になるには何をすればいいのか、4つのステップに分けて詳しく解説していきたいと思いますので、これから保育士を目指す方はぜひ参考にして下さい!
ステップ1:保育士資格について知る
まずは保育士資格についてざっくりでも良いので知っておきましょう。
保育士になるためにはまず国家資格である保育士資格を取得しなければなりませんが、必ずしも資格を持っていないと保育の現場で働けないわけではありません。
保育士をサポートする「保育補助」と呼ばれる業務は、保育士資格を持っていなくても保育の現場で働くことが可能なのです。
だったら、わざわざ保育士資格を取らなくてもいいんじゃないの?
そう思ってしまいそうですよね。
ですが、保育士資格の有無によって仕事内容に大きな違いがあります。
基本的に保育補助はクラス担任を受け持つことはありません。
保育内容を計画するのは担任だけができる仕事なので、「今日はこうやって子供達を遊ばせたい!」と思っていてもすることができません。
保育補助の仕事は、担任の指示に従って遊びの準備や片付け等の雑務をすることが一般的です。
部活動のマネージャーをイメージしてもらうと分かりやすいのではないでしょうか。
それとは反対に、資格をもっているとクラス担任をすることができ、行事の責任者にもなることができます。
保育士として上を目指していきたいのであれば保育補助の仕事だけでは物足りないかと思います。
無資格で保育の現場で働くことはできますが、「保育士」を名乗って働くことができるのは保育士資格を所有している人だけです。
保護者からすればどちらも先生ですが、仕事の内容に大きな違いがあることを理解しておいてください。
また、保育士資格の良いところの1つとして、資格取得に年齢制限がない点が挙げられます。
年齢の上限がないため、何歳から保育士を目指しても大丈夫です。
社会に出て別の仕事をしながら通信教育を利用したり独学で保育士を目指す人はたくさんいます。
保育士資格があれば育児や介護で離職をしたり長い期間ブランクがあっても復職して働くことが可能です。
一般的に保育士の定年は65歳ですが、定年を迎えても保育士不足によりそのまま再雇用されるケースがよくありますので、職に困ることはありません。
また、保育士資格は一度取得すれば更新は不要です。
ただし、結婚をして名字や本籍地の都道府県に変更がある場合は更新をする必要があるので注意しておきましょう。
ステップ2:保育士資格を取得する方法を決める
保育士資格を取得するには、以下の2種類の方法があります。
- 保育士養成課程のある大学、短期大学、専門学校に通う
- 保育士国家試験に合格する
順番に詳しく解説していきますね。
保育士養成課程のある大学、短期大学、専門学校に通う
大学、短期大学、専門学校へ進学する方法を選択した場合、所定の科目を履修すれば、卒業する際に無試験で保育士資格を取得することができます。
試験を受けなくても資格を取得できるというのは、養成学校の最大のメリットといえます。
卒業と同時に幼稚園教諭の資格も取得できる養成学校もあり、他にも夜間通学や通信制を取り入れている学校もあります。
ピアノや絵本の読み聞かせ等の実技や実習もカバーしてくれるので、現場に出たときに安心感があるのも魅力のひとつですね。
試験を受けずに資格取得できるのは大きなメリットですが、デメリットもあります。それは学費です。
学校によって学費が異なりますが、私立大学を選択した場合、一般的に1年間で100万円前後かかると言われています。
在学期間が短い2年制の短期大学や専門学校を選択した場合でもトータル200万円はかかることになります。
養成学校で資格を取るのであれば、オープンキャンパスに参加したり、学校の資料請求をするなど、色々な学校を比較しながら情報収集することをおすすめします。
保育士国家試験に合格する
もうひとつは、年2回実施される保育士試験に合格して資格を取得する方法です。
受験資格を満たす必要はありますが、まったく違う職種で働いていた人や、保育とは全く関係のない学科で学んできた人でも保育士資格を取ることができます。
- 大学卒や短大卒、もしくは学校教育法に基づく専門学校を(修行年限が2年以上であること)卒業していること
- 1996年(平成8年)3月31日までに高校の保育科を卒業していること
以上のどちらかを満たしていれば受験可能です。
保育士試験は科目別に合格が判定され、合格した科目は3年間有効となります。
つまり、不合格だった科目だけ再度受験すればいいのです。
働いていたり、子育てや介護等のさまざな理由で2年間学校に通うのが難しい人でも、自分の努力次第で短期間で保育士を目指すことが可能となります。
どちらを選択して資格取得を目指すかはまずご自身のライフスタイルを振り返ってみてください。
時間、費用、勉強内容等、自分は何を1番に優先させたいのか、じっくり考えて選択してくださいね!
ステップ3:資格取得に向けて勉強する
保育士資格の取得方法が決まれば、いよいよ取得に向けて勉強していきます。
ここでもそれぞれのパターンごとに解説していきますね。
大学、短期大学、専門学校に通う場合
保育士の養成学校では、保育士資格の取得に必要な科目が指定されており、その授業科目の単位を履修します。
2年以上在籍して62単位以上を習得することが決まりとなっています。
そして、保育園と児童福祉施設両方での校外学習を修了し、卒業すると保育士資格が取得できます。
養成学校では保育実習や実践的な技術を学ぶ機会が多くあります。
保育実習中は指導案を作成したり実習日誌を書く必要があり、実習先の現役保育士が添削、指導してくれるのでとても勉強になります。
国家試験を受験する場合
保育士の国家試験を受験する場合の勉強方法としては、独学・通学講座・通信講座の3つの方法があります。
独学は自分でテキストを選んで購入し、自分で勉強スケジュールを立てて試験対策をしていきます。
独学はテキスト代しかかからないので費用がおさえられるのが一番大きなメリットだといえるでしょう。
通学講座での学習は時間通りに学校に通う必要がありますが、合格までの勉強スケジュールを立ててくれたり、わからないことがあれば質問することができます。
通信講座での学習は、自宅にテキストやDVDなどの教材がすべて届き、自分のペースで試験対策をするスタイルです。
通学講座、通信講座は独学で勉強するよりも受講費用がかかりますが、養成学校に通うよりは俄然費用をおさえられるので、金銭面に不安がある方は国家資格を受験する方がいいでしょう。
ちなみに、保育士試験の筆記試験は5つの選択肢から1つを選ぶマークシート方式で、記述式はありません。
保育士資格を取得する方法でも解説しましたが、試験科目は全部で9科目ありますが、合格科目は3年間有効です。
一度に全部合格しなくても次の試験が半年後にあるので基本的には大丈夫です。
筆記試験をクリアすると次に実技試験があり、こちらも合格したら保育士資格が取得できます。
養成学校に通うパターン、保育士の国家試験を受験するパターン、どちらも勉強は欠かせないということになります。
ただし、国家試験を受験する場合は養成学校とは違い、合格するまで資格は取得できないので効率的に勉強を進めていく必要がありますので、十分な試験対策をしていきましょう。
ステップ4:保育士として登録する(合格後)
保育士試験に合格したら養成学校を卒業した人も自分で手続きをしなければなりません。
簡単に説明すると、以下のような流れになります。
保育士登録申請手続きを行うには、まず「保育士登録の手引き」という書類を登録事務処理センターに取り寄せてください。
手引きが届いたら中に同封されている払込用紙を使って郵便局の窓口に行き、払込手続きをしましょう。
支払いが終わったら申請に必要な以下の書類を揃えてください。
- 保育士登録申請書
- 郵便局の受付印入りの振替払込受付証明書
- 保育士となる資格を証明する書類(保育士試験合格通知書など)
- 現在の戸籍抄本
書類が全部用意できたら郵便局窓口に行き、簡易書留で登録事務処理センターまで郵送します。
不備がなければ約2ヶ月後に保育士登録事務処理センターから保育士証が郵送されます。
登録に期限はありませんが、早く就職したいのであれば早めに手続きを済ませておきましょうね。
まとめ
保育士になる方法をステップ形式で解説しましたがいかがでしたでしょうか?
最後にもう一度、4つのステップをまとめておきますね。
保育士資格を取得するには、保育士養成学校を卒業するか、保育士試験に合格するか、2通りあります。
どちらを選んでも勉強は必須です。ご自身のライフスタイルに合った取得方法でぜひ保育士資格取得を目指してみてください!